ダン・フォーゲルバーグ(Daniel Grayling 'Dan' Fogelberg, 1951年8月13日 - 2007年12月16日)は、アメリカ合衆国・イリノイ州出身のシンガーソングライター。叙情的な歌詞と温かみのある歌声で、70年代から80年代前半にかけて絶大な人気を博した。「Longer」、「Same Old Lang Syne」(邦題は『懐かしき恋人の歌』。現実の体験に基づいている)、「Hard to Say」など、日本で親しまれている曲も多い。
ピオリア生まれ。両親は音楽家。少年時代からクラシックピアノを習う傍ら、スライドギターも独習し、高校時代はビートルズのコピーバンドも組んでいた。ピオリア市の母校ウッドラフ高では父親が音楽活動の傍ら教師を務めていた。この高校と代表曲懐かしき恋人の歌(Same Old Lang Syne)に登場する食料品店とを結ぶ通りが後にフォーゲルバーグ・パークウェイと改名された。卒業後、大学で美術を学びながら、地元のコーヒー・ハウスなどで音楽活動を開始。ここで後に名マネージャーとして知られることになるアーヴィン・エイゾフと知り合い、彼とともにカリフォルニア州、次いでテネシー州ナッシュビルへと移る。同地でスタジオ・ミュージシャンとして、イーグルスなど同世代の数多くのミュージシャンと共演したことが、その後の彼の音楽性に大きな影響を与えることになる。
80年代半ば以降は、社会的テーマを扱った『Windows And Walls』、ブルーグラスの影響を感じさせる『High Country Snows』などを発表し、大ヒットには恵まれなかったものの着実な活動を続けた。 1984年発表のアルバム『Windows and Walls』には実際のアリゾナの事件を取り扱った『Tucson Arizona』が含まれるなど、難しい社会問題を作品にした曲も数多く作曲している。